「あ!」と気付いた時にはもう遅い。ミスをした時の嫌な気持ちはなかなか拭えません。まず、ずっと練習して来てこの日を迎えた演者に対して申し訳ないという思い。楽しみに待っていたお客さんに対して申し訳ないという思い。全体の品質に関わる事だとしたら、その他セクションに対して。某有名劇団では、素材出し(タタキと呼ばれる)で一回でも間違うと、養成所に戻されるという話を聞いた事もあります。コックピットのようなところでの操作ミスは確かに起きてもおかしくないことでもありますが、これが本当のコックピット、つまり飛行機操縦だったら?と思うとぞっとします。今まで何機の飛行機を落としただろう。ああ、音響でよかったなと思うのは、仕事をクビになったり、人に迷惑をかけたとしても、人の命にまでは関わっていない。外科医とかもそうですが、もっと心臓が飛び出すような経験を積んでいる人はいっぱいいるということです。