写真がないのが残念ですが、「大井町どんたく」というお祭りのステージに出る「Eroticao」。すでに3年目になります。時間がない現場は数々ありますが、ここまでは初めてでした。Dr Bass Key GTR  Tp Tb Perc Voという8人編成。Vocal Key Perc というフロント3人のメインボーカル。乗り込みですから、直前に卓を渡されます。ステージ上もセッティング開始。同時にPAも仕込んでいきますが、つなぎ終わったくらいで、MCが出ている「さあ!お待たせしました!」と。「え!ホントにやるのーー?」と思わず一人で叫んでいました。押していてケツも決まっているので、バンマスがOKを出していたのです。自分の場所は舞台も見えない音も聞こえないステージ袖。なんと回線が来ているかもわからないうちに始まりました。ジャズセッションなどではこのような経験はありますが、ポップスでは初めてです。デジタル卓(LS9)だったので、事前に打ち込んであったデータをいきなり読み込み、だいたい返っているはずのモニターの確認からスタート。「何から?何から?」頭の中はフル回転。頭のレベルをとり、モニターレベルを合わせ、聞こえもしない外音を想像しながら、何度もフリップさせて調整を続ける。当然いくつか間違う。違う画面で操作してしまう。LS9なのに画面にタッチする。(タッチパネルではない!)袖とはいえ感じはわかるので、どうやら落ち着いたなと思ったところでiPadを持って表に出る。またバランスを取り直す。。ところが電波が途切れるzzz。ふーー。なんとかソロなども追いかけながら、いい感じになってきた。「終わりよければすべてよし!」ライブ中いつも思う事、心がける事。さあ、もっていくぞ。客は手拍子でのっている。なんと、客の中に踊りのリーダーが出現して客を煽るまでになる。結果、時間内におさまり、ミュージシャンは演奏しやすかったと言ってくれ、客は楽しかったと言っていて、またまた3年目も成功に終わって、ビールで乾杯となりました。

この「何から?何から?」を培ったのは、学生時代の飲食店のアルバイト。今でいうカフェ、当時はパブのようなところの昼のフロアをやっていた。客が来る、帰る、会計、ドリンク作り、下げる、セット、洗い物、すべてひとりで任されていたので順番を間違うと待たせる、終わらない、座れない。いつもチーフに怒られながら、なんとか習得していった。機械いじりにそれが反映されたという訳です。

キーがとれない、リズムが見えない、自分の音が聞こえない、そういったことが最初に対処すること。そして楽しませるところまでいければゴール。その順番を間違わずに出来たらいいですねという話でした。