日々練習するということは、運動部(サッカー)にて培われました。毎日走る、ボールを蹴る、どうやったら上手くなるか、上手な人の真似をしてみたり、本で理論を勉強したりもしました。失敗する、反省する、練習する、そして少しずつ上手くなる。そうやってレギュラーを勝ち取る。その体験は、「きっといつかうまくなるだろう。」という体験になりました。余談ですが、なぜか舞台のプロの人たちは運動部出身者が多いです。
音響、特にPAは二つの側面があります。舞台で仕事をするということ。それと音楽と向き合うということ。その両面は両立しますが、得手不得手もあります。自分はというと、、、
元気で活発な少年ということではなく、どちらかというと「おたく」。家にいて何かを覚えていたり、ラジオを作ってみたり、、ただサッカー部に入って辞めずに続けたことで、その片側が築かれたように思います。音楽が好きで、機械が好き、それでいて、運動部出身の粘り強さが身についていたので、「天職」となりました。
さてさて、また話はだいぶそれてしまいました。。日々の練習ということを、体育会系的に捉えるか、文化系的に捉えるか。体育会系的に捉えれば、とにかく現場に出て顔を覚えてもらい、理不尽を超えて明るく振る舞うことでしょうか。プロのミュージシャンの方々を見ていると、やはり特化した才能を伸ばしていった経緯が見受けられます。しかも練習熱心な人が多いです。ギターの運指、ドラムのリズム、など。あと常に楽器を触っていることでしょうか。さて、ここからが本題ですが、その文化系的な日々の練習ってどのようなことがあるでしょうか。前回お話しをしたのは、数多くのライブを見たということでした。そして、数多くのレコードを聞きました。(当時はレコードでした。)ありがたいことにこれも教育方針でした。月に1万円のレコード購入手当が与えられていたのです。ありがたいことでした。もちろんそれまでに、かなりの数の音楽を聴いていましたが、さらに数多くを聞くことになりました。ただ聴き方が少し変わりました。趣味ではなく、ミキシングの勉強としての聴き方です。ドラムの音、上物の載せ方、歌の質などです。イメージ作りですね
そもそもエンジニアを目指す人は、楽器をやっていた人が多い。つまり音楽が好きで、それを演奏する能力があるということ。自分は、やろうとはしたものの形にならず諦めてしまいました。楽器は日々の練習があります。ピアノはもちろん、ギターやドラムも練習が欠かせません。それに比べるとエンジニア、特にPAミキサーは、日々の練習というのができる環境がありませんでした。今は、DAWも安価になり、ミキシングの練習はいくらでもできるようになりましたが、スピーカーチューニングの勉強などは、現場に出ないと、なかなか出来ません。自分はなんでもいいからミキシングを続けてきました。リハーサルスタジオの音調整、40代になってから、DAWはレコーディングスタジオで教えてもらい、自分で購入して1から覚えました。今は安価で簡単に出来ます。PA用のデジタルミキサーも、PCのマネージャーがあるので、それで覚えることが出来ます。今だから出来ることとも言えますね。