CodaのシステムとSoundCraft Vi600。思い返せば開店当時から来ているので、30年くらい経っている。機材は変わっても、内装はほぼ変わっていない貴重なライブハウスだ。数々の思い出が詰まっている。大阪ミナミに毎週のように行っていた時期がある。今日はどこだっけ?クアトロ?ミューズ?ハッチ?Zepp? そんな中でもBigCatは多かった。そんな過去の話はともかく、今日はワンマンオペレート。打ち込みなし、コロガシ中心、ヴォーカルマイク(ワイヤレス)も含めレンタル機材。現実に抱えている問題がある。「イヤーモニター」である。その分野が一般的になってすでに10年以上は経過しているので、先端を行く現場では、数々の工夫がなされていることを耳にはするが、小規模の現場で具体的にリーズナブルに簡単に解決できる方法はないかと模索中である。本日のヴォーカリストは音の作り以前に、装着、密閉にすでに抵抗感がある。確かにそうだと思う。今までストリートを出発点に生の声で歌い、その反応を直接肌で感じてきたと思うので、「手段」とはいえ、その閉塞感は馴染めないものだろう。スピーカーで聞き、いい状態を作っていっても、レコーディングのように自分の歌い方で、自分の音量で、狭い場所でバンドの中で歌うには、ハウリングという壁が立ちはだかる。なかなか理想どおりにはいかないのが現実だ。過去のまだ機材も発展途上の頃は、ライブはそんなにクリアに自分の声は聞こえないものとして、アーティストも割り切っていた。レコーディングとは別物で考えていた。しかし最近は、打ち込みの使用や、イヤモニの普及でその再現が可能になっている。それにより快適、そして表現がしやすくなったというメリットもあるが、「ライブ感」という特別な空間を共有することも少なくなったのではないかと推測できる。センターに立つということは、逃げ道がない。すべての目線が集中しているのもあるし、すべての進行、過程、結果が評価にもつながってしまう。その一要因として、快適な環境を作れていないことに歯痒さを感じるし、申し訳なさを感じる。かつてモニター専任でオペレートしたことがある。その時は、表情を見て、バンドの音量に合わせて、細かくコントロールをした。それは「出来た」つまり成功体験はあるのだ。しかし、ハウスも含めのワンマンオペレートでのそれはなかなか不可能に近い。自分が漠然と考えていることは、スピーカーで作られた音像にオープンエアで足すことだ。実際にも、いつイヤモニを外しても成り立つような音量のモニター音量は常にキープしておくのが自分のやり方である。その補助としてのイヤモニの存在。その位相やディレイが合っていて「足し算」になっているもの。そして耳との間に空間があるもの。音量コントロールが簡単なもの。簡単に言うと、「快適を提供してくれるもの」誰か開発してくれませんか?