昔からの知り合いでパーカッショニストのマック清水さんからのご指名でした。バンドメンバーも、江口信夫、友成好宏、柿崎洋一郎、古川望、山内薫さんら、同年代の大昔からの知り合い達で、今やベテランで大御所の方々。今回は、おしょーさんではなく、山寺さんでもなく、「オショー!」の現場。それに星川さんのギター、レイニー加藤さんのベース、TP,SAX,SAX、のホーンセクション。ボーカル3人の総勢14人のミックスでした。いつもはボーカルのサポートで必ずサイドスピーカーを使うのですが、この人数だともはやその余裕も場所もなく、コロガシだけの対応。ボーカル陣の中の井出麻理子さんは、かつてもここで出会ったことがあるのと、知り合いの知り合いだったので、こちらは昔から知っていたのですが、そのパワフルな歌がなかなか思うように返らない。必要な音量と音像は把握してはいるものの、そこからはその個人差にどこまでついていけるかということになります。結局は妥協点を見出すということにはなってしまいました。ギリギリのプランの中でのプランの妥協もあるにはあった。本当に微妙なところです。さて、このベテランのプレイヤー達から出てくる音は、極上のものでした。チャックレイニー氏は面識はありませんが、我々世代は知らないはずがないベースプレイヤーで、え、この曲も?この曲も?という選曲で、細かいニュアンスまでが再現されていて、勝手にニヤニヤしちゃう感じでした。出音の捉え方はそれぞれかとは思いますが、原曲を知っているので、前回も話題に出た、マービンゲイのコンガの感じなどは、もはやプレーヤーが熟知しているので、なにもしないでその感じになっていたし、スティーリーダンのホーンの入り方なども見事でした。自分の引き出しが、ミックスの中で少なからず役立っていることは喜びでもあります。トラブルに近いことも数々ありましたが、その度に解決できていったので、結果オーライだったのかなと思います。自分はプレイヤーにはなれなかったが、リスナーとしてこの時代の情報量はプレイヤーと同等に持っていると自負しているので、その時代を思い出して懐かしく思いました。夢中になって数々のアルバムを聴き、そのプレイヤーが誰なのかに関心を持って、そんな議論もしながら聴いていた時代。バレリーカーター、アレサフランクリン、ロバータフラック、ダニーハザウェイからセルジオメンデスまで。仕事とはいえ、懐かしく堪能させていただきました。自分はまとめて音楽というものを聴いていたけど、演奏者達はそれをバラバラにして、再構築して組み立てる訳だから、やはりリスペクトです。