毎年やっているファンクラブイベントで、ここだけ呼ばれる。今回は、いつものような同期で作り上げたサウンドではなく、弾き語りということでのスタート。通常なら音源とマイクでのトータルレベルのプロセッシング、Smaartのチューニングからのメモ、サブのピーク探しと、ハイボックスからの低音チューニングという順番で追い込んでいくが、アンプコントロールが手元にないのと、9時入りで昼からのリハ、ゼロからの全仮設なので、ライブハウスのようにはいかない。以前、アンプパネルでのコントロールをした事があったが、時間的にも作業的にもかなり大変だったのでそれは諦めて、卓で作ったEQを残しておいた。今回は先にシュートという段取りだったのもあり、昨年のデータの確認と微調整という方法をとった。しかしやはり、「チューニングは一からやるべき!」と改めて思った現場だった。確かにピークはうまく抑えられて成り立ってはいるが、そのプロセスを省くと問題意識が欠落する。つまり、36Hzと58Hzをカット、355Hzをカットなどの手順を踏むとそのポイントの問題点を意識できる。フラットでなくなってきたときにどこをカットして、どこを戻すかが的確になる。その僅かな違いの積み重ねが、win-winのサウンドを生むことは承知している。パーカッシブなアコギの「低音がこないんだよね。。」という角松さんのメッセージは、過去の歴史から想像出来たはずだったのに、作れていなかったのが悔やまれる。音のイメージは掴めているのに、具体化出来ていない歯痒さ、アンプコントロールが出来れば解決できたのに、、という悔しさが残る。それとリハの最初が大きすぎると下げすぎてしまう。「下げて!」から上げられなくなってしまう。残念!でスタートすると自由度が減ってしまう。結果として、客席にはクリアで聞きやすい音を提供出来たが、演奏者に満足を提供出来なかった。それでも2回目は、そのハンディを背負いつつも、その感じは掴めているので微調整でクリアした。「2回目はバッチリだったよ。」と言ってはいただけたが、この精度じゃまだまだ、、と感じた1日でした。ライブの内容は、難解なリクエストに応じてやり切った曲とか、小林信吾さんのリハーサルテイク音源を使った曲とか、かなりレアな内容でお客さんも喜んだのでは、と思いました。