キネマ倶楽部は、2015年に古井戸で来ている。MSL3が3本と650R2が2本という、80年代後半に一世を風靡したシステム。AMPはYAMAHAの2002、FOHはM7CLでMoni卓はLS9,そして会場も昭和の香りのするスペース。音作りにほぼストレスがなかった。会場とシステムは馴染みが良く、しかも今回は打ち込みだけだったので、シンプルだった。管理しているのはデルタ音響。昔から相性の良さを感じていて、間は空いているものの、数十年に渡りお世話になっている。特によく使わせてもらっていたNEXO ALFAシステムは、システムセッティングを自分の思い通りにしてもらっていて、何度も助けてもらっている。そんな歴史もありながら、初めてという彩未さんのライブ。チューニングからリハーサルに至るまでで、ほぼストレスがなく進む時に自信と共にある不安は、その反射音の本番での変化。古井戸の時はギターデュオで、自分としては、問題なく出来たというイメージがあったのだが、評価は今一つ。つまり、音が暴れない、逆に言えばおとなしく収まってしまうこと。「技に溺れる。」ほど高いところからのことではないが、自分の感覚にそのまとまりがハマってしまって一歩も動けないのである。外音は成り立っていて、自己評価も高いから「これでよし!」から動かない。客もちゃんと体が動いていて、心から楽しんでいるように見える。いろいろな場所で確認するが、やはり「良し」なのである。今回もリハーサルでの跳ね返りがストップしていたようで、これはチューニングの課題と、音の組み合わせをピッタリと合わせない勇気みたいなもの。よく言われるリハーサルでまとめ過ぎないというところ。跳ね返りもだいぶ研究したので、まるでなくなるようなことのない工夫もしてはいるのだが、、しかし、ライブとしては、照明も含め、完成度の高いものだったと思う。客の声、動きがさらに盛り上げてくれる。彩未さんのナチュラルで楽しんでいる感じも伝わってくる。御供さんの練られた打ち込みにも助けられ、予定外のアンコールも含め、いいライブでした。